こんばんは。World Music Barへようこそ。
お休み中の方も、お仕事を終えられた方も、土曜日の夜と日曜日の間の素晴らしい時間をどうぞごゆっくりお過ごしください。

前回のブログで、ベーシストの長岡道夫さんについて触れさせていただきましたが、長岡さんが手掛けられたもので有名なサウンドがあります。
土曜日夜8時に放送されていた「8時だョ!全員集合」のコーナーのひとつ、加藤茶さんと志村けんさんのコントで有名な”ヒゲダンス”で使用されていた”ヒゲのテーマ”です。
このベースは、長岡さんの演奏によるものです。
軽快なサウンドと、お二人が披露するスマートなパフォーマンスは多くの視聴者を虜にしました。
リアルタイムで過ごされた皆様にとっては、土曜日の夜は、笑顔いっぱいのひとときだったことでしょう。
実はこの”ヒゲのテーマ”、原曲が存在しています。
テディ・ペンダーグラス(Teddy Pendergrass)「Do Me」(1979)です。
ここからベース音を抜き出して、コント用にアレンジされたものでした。
**
Teddy Pendergrassは、1950 年 ペンシルベニア州フィラデルフィアで誕生しました。
彼の音楽キャリアはドラムの演奏から始まりました。
類まれなる才能の持ち主であった彼は、10代の頃からすでに「キャデラック」というVocal Groupでドラムを演奏していました。
そして、レベルの高いリズムスキルにより、Soulシンガーのハロルド・メルビン(Harold Melvin)率いるHarold Melvin & the Blue Notesに加わりました。

魅力的なルックスとドラムテクニックだけでなく、Vocalistとての才能も持ち合わせていた彼は突出した存在感を示し、1975年にグループを脱退し、ソロ活動を開始します。
この頃、1970年代前半からフィラデルフィア・ソウル(Philadelphia Soul)と呼ばれる、フィラデルフィア発のソウルジャンルが確立されていました。
フィラデルフィア・ソウルは、略してフィリー・ソウル(Philly Soul)とも呼ばれています。
Teddyはこのジャンルを代表する一人として活躍しました。
この曲の特徴は、ストリングスを効かせた華麗で柔らかい旋律であることです。
この特徴を持つPhilly Soulの録音で知られたスタジオが、同じくフィラデルフィアに存在していたRecording Studioであった”シグマ・サウンド・スタジオ(Sigma Sound Studios)”です。
数多くの偉大なアーティストがRecordingに利用したこのスタジオは、30人以上の弦楽器やホルンアーティストを常駐させていました。
彼らの創り出す音楽は、”シグマ・サウンド(Sigma Sound)”と呼ばれました。
ストリングスによって、甘く切ない雰囲気を醸し出し、これまでのSoulやR&Bをより洗練された都会的雰囲気のSoundに変貌させたのです。
「Do Me」はAABAのようでもあり、アバビーシーのようなシンプルなコード進行になっていますが、Teddyの高い表現力によって、抑揚のある表現になっています。
また、”ヒゲのテーマ”とは全く表情の違う、ロマンティックなサウンドです。
それでは、お聴きください。

Teddy Pendergrass『Do Me』(1979) – Album from “Teddy (Expanded Edition)”

Teddyは、事故による後遺症や病との闘いで大変な晩年を過ごしました。
59歳という若さで亡くなったTeddyは、財産を医療財団へ寄付するなど多大な貢献をされました。
そして、「Do Me」を見つけ、”ヒゲダンス”のコントに採用したのは、ソウルミュージックを好んで聴いていた志村けんさんでした。
**
二人のレジェンドが、以外なところで繋がっていたことに想いを馳せ、古き良き時代への私なりの想像や夢を膨らませる今夜この頃です。
本日もご来店いただきましてありがとうございました。
素敵な週末をお過ごしください。
We know how to fun, enjoy & feel the music in the world!

(FM Radio “World Music Bar” 当店のラジオ番組もお楽しみください ~ by stand.fm)
Prohibitions 無断転載・無断使用禁止


投稿者

店主

On Bass, Writer, Radio DJ, Health Rhythm Counselor, Life Rhythm Advisor

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)