こんばんは。World Music Barへようこそ。
みなさま、いかがお過ごしでしたでしょうか?
久しぶりにお目にかかれて大変嬉しいです。どうぞごゆっくりお過ごしください。
ここ数日、大変慌ただしく過ごしておりました。
3月は忙しい時期ですね。カレンダーの3月31日と4月1日という日付に神経質になるあまり、
付け焼き刃的な処理にならないよう、時間管理をしつつ、丁寧な仕事を心がけてみました。
忙しくなればなるほど、自己中心的にならないよう気をつけています。
かく言う私も、こうして自分の仕事のあり方を俯瞰で見れるようになったのも、ここ最近のことです。
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今日の日本は午前中に各地で雪が降りました。
今週が冬の終わりでしょうか、週末から気温が上がって春本番になりそうですね。
穏やかな季節はもうすぐですね。
今夜は、そんな夜にぴったりなナンバーをご紹介します。
アメリカの歌手であり作曲家である、ニール・セダカ(Neil Sedaka)の大ヒットナンバー「Laughter In The Rain」(1974)です。
邦題である「雨に微笑みを」で知られているこの曲は、多くのアーティストにカバーされました。
耳馴染みのよい、流れるような旋律は、乾いた心の中に雨水のようにスーッと溶け込んでゆきます。
今夜は、作詞を担当したフィル・コディ(Phil Cody)にフォーカスしてみたいと思います。
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2011年に掲載されたNewsLetter ”Songfacts”によると、Phil Codyは作品について以下のように話しています。
ある朝Neilと集まり、彼が座って「Laughter in the Rain」のメロディーとパートを弾いてくれた。私はただぼんやりと座っていた。何も感じてこなかった。まったくだ。
私は席を外して、外へ出て散歩した。
その場所は田舎で、散歩をして、ゴルフコースの近くの野原に座り、鹿が戯れるのを眺めたりしていた。
輝く太陽のもと、木陰で1時間半から2時間ほどウトウトしてしまった。
2時間ほど経って起き上がり、歩いて戻ると、ニールがまだそこにいた。
それから私は椅子に座って黄色いメモ帳を手に取り、5分で曲のほとんどを書き上げた。
この曲のChorusはこのような歌詞が詠われています。
Ooh, I hear laughter in the rain(ああ、雨の中で笑い声が聞こえる)※A
Walking hand in hand with the one I love(愛する人と手をつないで歩いているんだ)※B
Ooh, how I love the rainy days(ああ、雨の日って素晴らしいじゃないか)
And the happy way I feel inside(心が幸せな気分になるんだ)
当初、このChorusの歌詞※A~※Bの部分は、Neilの曲では繰り返しのフレーズになっていたそうですが、
Philが一回にするよう提案し、Neilは了承してくれたのだそうです。
既に実績を重ねていたNeilと、意見交換をしたり、提案を彼から承諾してもらえるようになったことに、
Phil自身は自分のステータスに対する大きな自信と、キャリアの変化を感じ取ったそうです。
「ポップとは、常に可能な限りシンプルであること」と語っていたPhilの歌詞には、
シンプルな日常やシンプルな環境で生まれたシンプルな歌詞に実にスムースに反映されている気がします。
とは言え、一つの考えを持って仕事に向き合っていることもうかがえます。
私が言いたいことに耳を傾けてくれるニッチな聴衆を見つけることができるのであれば、
チャレンジしたい題材もある。
ソングライターとして、伝えたい大切なことがまだあるんだ。
それが私の目指すところであるが、成功するかどうかはわからない。
でも、そこに到達するまで努力するのはとても楽しいと思っている。
仕事をする上で、利害関係者と向き合うことは避けられません。
変な意識や過信をせず、それぞれの能力によってお互いの持っている才能を自然と引き出すことが出来るようになれば、それ以上素晴らしいことはありません。
この曲は、Neilの作曲家としての才能と、Philの作詞家としての才能によって、
ありふれた時間の中で自然と生まれた、人間らしい作品と言えるのではないでしょうか。
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自分の評価は自分では到底できません。
今必要な目の前のことを一生懸命行っていれば、自然と力になって、いつかそれに気づかせてくれる結果や相手に出会えるはずです。
その時、自分のことを「私、成長出来たんだ。やったじゃない。」っと褒めてあげてくださいね。
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今夜もご来店いただきまして本当にありがとうございました。
次回も、お待ちしております。おやすみなさい。
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