こんばんは。World Music Barへようこそ。明日から12月です。
私は冬がどうしても苦手なのですが、12月だけは街の雰囲気に助けられて、行動できる気力を維持できます(笑)。
このまま平和な年末年始が迎えらえると良いですね。

今夜ご紹介する曲は、イギリス出身のシンガーソングライター、クリス・レア(Chris Rea)「ドライビング・フォー・クリスマス」(Driving Home for Christmas)です。
クリス・レアが音楽を始めたのは22歳の頃で、比較的遅めのキャリアではあったものの、デビュー4年後の1978年に発表したシングル「フール」(Fool)で一気にスターダムにのし上がりました。
今夜ご紹介する「ドライビング・フォー・クリスマス」は、1986年に発売されたシングルのB面で、アルバム未収録曲でしたが、1988年にシングル発売、2002年に再録音したもので再びシングルとして発売されました。
1988年発売時はチャート圏外でしたが、徐々にクリスマスの定番曲として知られるようになり、2021年にプラチナディスクに認定されました。

この曲のイントロが流れると、雪景色の中一台の車が家路に向かって、息をきらしながら走る情景が思い浮かびます。この曲のバックストーリーがあります。
クリスは当時、レコード会社から鉄道の交通費も貰えず、やむなく節約のため妻の運転する車で送ってもらうことになります。ロンドンのAbbey Road Studiosから自宅のあるMiddlesbroughまでの距離は242マイル、車で5時間20分のドライブでした。
この車中で”私たちはクリスマスに家に帰るところ…”と鼻歌を歌ったところから出来上がった曲がこの「ドライビング・フォー・クリスマス」でした。

Chris Rea『DRIVING HOME FOR CHRISTMAS』(1986,1988,2021) – Album from “New Light Through Old Windows”

この曲が出来上がった当時、クリス夫妻は生活に困窮していました。
資金繰りのためにクリスは当時この曲を自分ではなく、当時既にスターとなっていた別のアーティストに提供する予定でしたが、実現しませんでした。
街はクリスマス、一年で最も街が煌めく季節の中、クリスにとって当時のドライブはより一層長く感じたかもしれません。
そして、夜中の3時頃にようやくクリスと妻がMiddlesbroughの家に着いた時、1通の手紙が届いていました。
アメリカでの「フール」のヒットによる著作権料の小切手が同封されていたのでした。

物語のようなエピソードですね。
Driving Home for Christmas(クリスマスのために家に向かって運転しているんだ)
With a thousand Memories(たくさんの想い出と一緒にね)
**
今年も残り一か月となりました。
お一人お一人のそれぞれの時間の過ごし方を尊重しながら、お客さまが大好きなものに囲まれて、笑顔になれる毎日が続くことを願っています。
そろそろ閉店のお時間ですが、とっておきのワインとお料理をご用意しましたのでもうしばらく、ご一緒に楽しんでいらしてくださいね。
今夜もご来店いただきましてありがとうございました。次回もお待ちしております。

(FM Radio “World Music Bar” 当店のラジオ番組もお楽しみください ~ by stand.fm)



投稿者

店主

On Bass, Writer, Radio DJ Health Rhythm Counselor, Life Rhythm Advisor

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