こんばんは。World Music Barへようこそ。今夜も寒いですね。
明日からお仕事の方、明日からお休みの方、日曜日の夜は一週間の中で家での時間を過ごされる方が最も多いのではないでしょうか。
今夜はあたたかいコーヒーをお淹れしました。心も身体もぽかぽかになってくださいね。
”夜の帳が下りる”(Night Break)という言葉をご存知ですか?”帳”は”とばり”と読みます。
漢字から想像できるように、”夜が更ける、夜の闇に包まれる”という意味合いですが、語源は、”夜の闇が視界をさえぎるさまを垂絹(たれぎぬ)が下りて向こうが見えなくなるさま”に例えているそうです。色々な解釈があるようですが、最もしっくりくる表現を引用させて頂きますと、”夜が更けていく様子を表し、垂絹、垂れ布という意味である「帳」を合わせることで、賑やかで明るい日中から時間が経ち、静かで暗く、若干の寂しさを感じる夜がゆっくりと訪れるという印象を抱かせる言葉”となります。
リラックスした日曜日の夜から世の中が動き出す平日の朝へ無理なく移行できるように、
あるいは、週末や祝日に頑張ってくださった皆さまにとって、ゆっくりと休息に入ることができるように、
今夜は、そんな夜にぴったりのお休み前のナンバーをご紹介します。
1974年に発表されたモーリス・アルバート (Morris Albert)の1stアルバム「After We’ve Left Each Other」から1976年にシングルカットされた『Sweet Loving Man』です。
モーリス・アルバート、本名マウリシオ・アルベルト・カイザーマン(Maurício Alberto Kaisermann)は、ブラジル・サンパウロ出身のシンガーソングライター、音楽プロデューサーです。最も良く知られている曲は、100万枚以上を売り上げた1975年発表の「Feelings(愛のフィーリング)」です。こちらも大変美しい作品ですが、少し悲しい歌詞と旋律なのでどちらかと言うと私はこの『Sweet Loving Man』の方が好きです。
「必要になったら僕を呼んでくれ、いつでもそばにいるよ」
「僕の名前を呼んでくれ、僕を見れば、僕がどれだけ君を愛しているかわかるだろう」
愛が溢れるストレートな歌詞、そしてシンプルながらも歌詞とマッチする8-beatの緩やかな旋律。Aメロでは、ただひたすらに愛する人への自分の愛情を強く歌います。
そしてChorusでは、愛する人が悲しみや誰かの助けを必要とする時に自分はそこにいるよ、と寄り添う想いを歌います。
Chorusの後は再びAメロになり同じ歌詞を繰り返すのですが、Chorusで伝えた言葉(歌詞)によって、2回目のAメロは、愛される人は「そうですね、あなたがいることで私は安心できるのですね」と愛を受けとめることが出来る気がするのです。それでは、お聴きください。
モーリス・アルバートは2004年に発表したアルバムを最後に、以降は作品を発表しておりませんが、少し前のライブ動画などYoutubeで観ることが出来ます。因みに現在はご家族とイタリアで暮らしているそうです。
遅ればせながら、最近私はFM放送とブログの開始に合わせて”X”を始めました。真実か否かは別として、数分・数秒ごとに世界中の様々な人達が自分の言葉を発信し目に見えない”線(Network)”上で会話をし、思想や意見を交換していくこのプラットフォームを通して、世の中のスピードを感じています。
そして改めて、”自分は一人ではない”ということ、”世界は広い”、そして、”自分の今の考え事や悩みはその広い世界の中の小さなものに過ぎない”と思えるようになりました。
好きなこと、好きな空間、好きな人達に囲まれる環境を、自分で思うように創ってみたら良いのだと思うのです。
そして少しだけ、”聞いてみる”余裕や姿勢を持っておくことも、その好きな物事を見極めるために必要な要素なのではと考えています。
今夜ご紹介した曲は、そんな想いも込めてお届けいたしました。
お客様にとって、今宵の眠りが心地良いものとなりますことを願っております。
お気をつけてお帰りくださいませ。またのご来店をお待ちしております。
(FM Radio “World Music Bar” 当店のラジオ番組もお楽しみください ~ by stand.fm)