こんばんは。World Music Barへようこそ。
今夜も、とある街角の路地裏でひっそりと営業しております。
最近は、街の喧騒から離れて静かな環境へ身を置いてみました。少し一人になってみようと思ったので、思いついたことを自由な時間軸で行動しながら過ごしてみました。
例えば、お掃除に没頭すると無心になり、心を脅かしそうなことが少しずつ和らいだりしてゆくのを感じます。こんな私も、ひとりの人間ですのでたまにはそんなこともあるのです(笑)。
というわけで、今夜は心身ともにリセットしてお客様をお待ちしておりました。いつものように、音楽談義をお楽しみいただけましたら幸いです。
先日はロンドンのアーティストをご紹介いたしましたが、今夜はドイツのアーティストをご紹介します。ミュンヘンから登場したSatin Jacketsです。ジャンルは主にニューディスコ(Nu-disco)とハウス(House)です。
一度聴くと心に残るメロディアスな曲調と、音の美しさや随所にみられる精密さの詰まったCreativeな楽曲がたくさん。でもそこには、王道のポップやディスコを継承するSatin Jacketsの想いが込められていて、どこか懐かしさも感じます。
今夜ご紹介するナンバーは、Satin Jackets feat. Jon Paul『Secret Lover』(2021)です。このナンバーは私が聴いてきたHouse Musicの中でもTop 3に入るほど大好きなナンバーです。
2分48秒という短いLead Timeの中には、こだわりの音作りがたくさん詰まっています。まず特筆すべきことはギターです。一般的にBridgeにあたる部分、Breakで奏でる”泣き”のギターが、とても効果的に導入されています。Breakの後、歌詞は「そして彼らはただ・・」と途中で途切れ、”泣き”のギターが登場します。音量はギターにフォーカスされるようにSound Switchが入ります。各小節の繊細かつ正確な音作りによって、このわずかな瞬間で聴き手の感情のレベルを一気に引き上げます。疾走感あふれる作品です。お聴きください。
Satin Jacketsに関する情報はそれほど多くはなく、謎のままです。
2021年にドイツ人プロデューサー、ティム・ベルンハルト(Tim Bernhardt)の発案でスタートしたSatin Jacketsは、この楽曲からもおわかりいただけるように、70年代～80年代のDisco Soundを感じさせるDance Music要素も入っています。Bassとピアノをメインに、Rhythmに正確に合わせ、どこかFunk要素もある現代のDisco、いわゆる”モダン・ディスコ(Modern Disco)“として新たな境地を確立しました。
アーティストのPortalやUKのLast.FMによると、70年代後半～活躍したChicやトレヴァー・ホーン(Trevor Charles Horn)からインスピレーションを得ていると記されています。
トレヴァー・ホーンと言えば、イギリスの音楽プロデューサーであり、音楽アーティストで、 The Bugglesの名曲 “ラジオ・スターの悲劇”のVocalistとしても知られています。
そして、Chicはギタリストやアメリカの音楽プロデューサーであるナイル・ロジャース（Nile Rodgers)で知られています。
英米の偉大なるアーティストが残してきた遺伝子に敬意を込めてサウンドに取り入れている数々の作品は、今後もあらゆる世代へ受け入れられていくことでしょう。
2023年からは、所属していたベルギーのメジャーレーベル Eskimo Recordingsを離れ、自身のレーベル Golden Hourで更なるステージへ向かって、Brush Upしています。
Satin Jacketsが注目を集めた『You Make Me Feel Good』、そして一躍世界へ名を広めた『Northern Lights』など素晴らしい作品がまだまだたくさんありますので、今後もお店でご紹介しますね。どこか懐かしくて、切なくて、爽快かつ前向きになれるサウンドはきっと聴き手の心をつかみ続けてゆくことでしょう。
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今夜も、ご来店頂きましてありがとうございました。
(FM Radio 音声配信はこちら ～ on stand.fm “World Music Bar”)