こんばんは。今夜もご来店いただきましてありがとうございます。
今週は急に暖かくなりましたが、来週は雪の予報も出ていますので気を付けてお過ごしくださいね。
今夜は金曜日。お客さまだけの特別な時間、ごゆっくりお過ごしください。
海外のアーティストは演者としても活躍しながら、その美声を生かして舞台や歌手活動をされている方も多くいらっしゃいます。
また、楽器を演奏したり、バンド活動をする俳優もいらっしゃいますよね。
今夜は、そんなアーティストの曲をご紹介します。
カールトン・アール・”カール”・アンダーソン(Carlton Earl “Carl” Anderson)の「Love’ll Hold My Baby Tonight」(1994)です。
アメリカ・バージニア州で1945年に誕生したCarl Andersonは12人兄弟の大家族で育ちました。
彼が注目されたのは1973年に公開された映画版『ジーザス・クライスト・スーパースター』(Jesus Christ Superstar)で演じた”ユダ”役でした。
この配役の前に、Carl Andersonは舞台版でユダの代役に選ばれ、1971年にロックオペラコンサートとして開演され、この役を演じていました。
大学時代に結成した友人とのバンド活動が、たまたまプロデューサーの目にとまり、舞台版の代役に選ばれたことがきっかけでした。
その後、舞台を離れロンドンへ移った彼は映画版のオーディションを受け、見事ユダ役に選ばれたのです。
様々なAwardにノミネート、受賞した彼は一躍注目の新人俳優となりました。
一方で音楽活動においては、彼はロサンゼルスのメジャーなクラブに出演し実績を積んでいました。
そしてスカウトに目が留まり、1982年に1st Albumをリリースしました。
3枚のAlbumをリリースした後、1986年にグロリア・ローリング(Gloria Loring)とのデュオAlbum ”Friends and Lovers”をリリース、Albumはヒットしました。
その後プロモ目的も兼ねて即ソロAlbum”Carl Anderson”を発売したものの、売上を伸ばすことは出来ませんでした。
音楽活動の傍ら、Carl Andersonは1992年に再び『ジーザス・クライスト・スーパースター』を演じました。
その舞台は大ヒットとなり、再び注目を集めたCarlは1994年にソロAlbum “Heavy Weather/Sunlight Again”を発売しました。
(ここからは私の感想です)Soul感溢れるこのアルバムは、全曲とても素晴らしく、都会的なサウンドと美しいコーラス、そしてクリアなサウンドで極上の大人の作品となっています。
今夜ご紹介する「Love’ll Hold My Baby Tonight」は、ABABCBの構成となっています。
CにあたるブリッジはLast Bへ向かうフィナーレの変調から入るSaxをきっかけとして、CarlのVocalとコーラスによってすべて(Last B)を解放する前の心地良い緊張感を演出しています。
金曜日の夜、都会の片隅で、このBarでの特別な時間へ、お連れします。
2002年まで演じ続けた”ユダ役”は、Carlにとってコア・キャリアの一つとなりました。
その回数は実に1,700回。
高い評価を受け、今後の更なる活躍を期待されていましたが、交通事故によって受診したことから白血病が見つかり、2004年に生涯を終えました。58歳でした。
一つの物事を長く演じることは、大変なプレッシャーと体力もあり努力なしでは成し遂げられなかったことだと思います。
初演から晩年まで、変わることなく高い評価を得た演者としての彼と、素晴らしい楽曲を残したVocalistとしての彼の功績は、現在もファンから愛され続けています。
**
私は、World Music Barでの執筆活動を通して、アーティストの生きざまを学び、生きる力や好きな物事があることは幸せなことだと改めて感じさせてもらっています。
お客様も、この週末は疲れた心と身体を休めて、大好きなものに囲まれてゆっくりとお過ごしくださいね。
今夜もご来店いただきましてありがとうございました。
Love your things you love, good night!
(FM Radio “World Music Bar” 当店のラジオ番組もお楽しみください ~ by stand.fm)
Prohibitions 無断転載・無断使用禁止