こんばんは。World Music Barへようこそ。
明日から5月。初夏ですね。
今夜はいつもと趣向を変えて、J-POPの名曲を様々な角度から掘り下げてみたいと思います。
今夜ご紹介する曲は、山下達郎「SPARKLE」(1982)です。
今回は、2023年にリマスター版がリリースされ、新たにRefreshされた公式ミュージックビデオと共にお届けしたいと思います。
この曲は、1982年に発売された6枚目のスタジオアルバム『FOR YOU』に収録されています。
作詞は吉田美奈子さん、作曲は山下達郎さんで、シティ・ポップの代表的な一曲として知られています。
この曲では、FenderのTelecasterが使用されていて、印象的なカッティング奏法を聴くことが出来ます。
山下達郎さんは、シュガー・ベイブ時代にギターへ転向し、カッティング奏法を磨き上げました。
その技術がこの「SPARKLE」に活かされ、リズムとの絶妙なコンビネーションが生まれています。
作品の評価としては、『レコード・コレクターズ』誌の「シティ・ポップの名曲ベスト100 1980-1989」で1位に選出されるなど、時代を超えて評価され続けています。
海外でも「Japanese City Pop」の象徴的な楽曲として紹介され、SpotifyやYouTubeを通じて新たな世代にも広がっています。
私がこの曲に特に興味を持った部分が歌詞です。
七つの海から集まって来る 女神達のドレスに触れた途端に
曲は、この幻想的なフレーズから始まります。
この「七つの海」という表現は、世界の広がりや未知の可能性を象徴していると考えられます。
一般的に「七つの海」という言葉は、世界中の海を指す比喩として使われることが多く、冒険や自由、広がる世界観を表現する際に用いられるそうです。
「七つの海」の由来は、いったいどこから生まれたのでしょうか。
七つの海の由来
”中世アラビア”
航海可能な主要な海域を7つに分類していた
”中世ヨーロッパ”
大西洋、地中海、黒海、カスピ海、紅海、ペルシャ湾、インド洋を「七つの海」として数えた
”大航海時代”
世界規模での航海が可能になり、カリブ海やメキシコ湾などが含まれるようになった
”現代の定義”
北太平洋、南太平洋、北大西洋、南大西洋、インド洋、北極海、南極海の7つを指すことが一般的
「七つ」という数字は、完全性や神秘性を象徴する数として多くの文化で使われてきました。
例えば、七福神や七つの大罪など、日本でも「7」という数字には特別な意味があります。
この「SPARKLE」の歌詞に登場する「七つの海」は、こうした歴史的な背景を踏まえつつ、広がる世界や未知の可能性、夢の輝きを表現しているのかもしれません。
そう考えると、とてもロマンがあって美しい旅がスタートするような気分にさせてくれます。
「SPARKLE」の歌詞はシンプルながらも、夏の輝きと恋の高揚感を象徴しています。
そして、以下のフレーズは、非日常のきらめきや心がときめく瞬間と、ノスタルジックな想いが対比的に表現されています。
拡がる世界は 不思議な輝きを放ちながら 心へと忍び込む
素敵なざわめき 心に投げ掛けて ただ懐かしい思い出に摩り替える
そして、冒頭に登場する”七つの海の女神達”と、”高くて届かぬ愛の行方も夜を担う夕闇”というVerseの言葉が、上記の2つのBridge表現へ導いています。
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この楽曲は、都会的な洗練されたサウンドとともに、日常の中にある特別な瞬間を描いているのが特徴です。
恋愛の高揚感だけでなく、新しい季節の始まりや希望を感じさせるメッセージが込められている気がします。
今夜ご紹介したこのMVが新たに制作された理由は、山下達郎さんのRCA/AIR YEARS Vinyl Collectionのリリースに合わせたプロジェクトの一環として行われたためです。
また、City Popが世界的に再評価される中で、楽曲の魅力を新たな世代に伝える目的もあったようです。
楽曲と歌詞の持つ爽快感と幻想的な世界観が美しく表現されていて、私のお気に入りのMVの一つです。
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新緑が美しい5月、みなさまにとって素晴らしい季節となりますように。
今夜もご来店いただきましてありがとうございました。
Let’s go to the season of sparkle!
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